世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「お父さん、そういう言い方はやめて。結婚した以上、蓮司さんも身内なんだから」

 さっきまで目線だけで私の様子を確認していた蓮司さんが、顔ごとこちらへ向けてくる。

 微かに目を見開いているように感じた。

 なにか彼が驚くようなことを言っただろうか。

「……お前まで質の悪い世界に染まったのか? これまでずっと、うちの娘にふさわしい教育をしてきたのに」

 私の反論が気に入らなかったらしい父が、がたんと音を立てて席を立つ。

 そして肩で息をしながら右手を振り上げた。

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