世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 もはや料理という枠を超えた、五感を揺さぶる芸術品の数々に落ち着く暇もない。

 どれもおいしかったけれど、特に私が気に入った料理はふた皿もあった。

 ひと皿目は、『ラングスティーヌとキャビアのジュレ』。

 透明なクリスタルボウルの中で、真珠のように輝くキャビアと薄紅色の瑞々しい手長海老が重なっている。

 そっとスプーンですくい、口に運んだ瞬間、磯の香りが鮮烈に鼻腔を抜け、舌の上で溶けていった。

 もうひと皿はこの店のスペシャリテである『黒トリュフのパイ包み焼き、ペリグーソース』。

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