世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 けれど、彼のその極論に近い合理性は、私を縛りつけてきた鎖をいとも簡単に断ち切ってしまう鋭さを持っていた。

 私が守らなければならなかった〝正解〟を、彼はゴミ箱に捨てるように否定してくれたのだ。

「俺に芸術はわからない。そうしたものに感動するような性格ではないし、見事な絵だとは思うが先にいくらの値がつくのか考えてしまう」

 やっぱり、と少し笑ってしまった。

 そうしてから、自分が彼の前で笑みをこぼしたことに動揺する。

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