世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 これまでの抑圧を忘れ、子どものように目を輝かせて次の栗に手を伸ばした。

「見てください、こんなに大きい。日本のものとはまた少し違いますね。形も不揃いで、なんだか面白いです」

 気づけば私は、自分から彼の袖を軽く引いて笑いかけていた。

 一瞬、沈黙が降りてからはっとする。

 蓮司さんが鋭い瞳で私を見下ろしていたからだ。

「……なんだ、その顔は」

 冷たい水を浴びせられたかのように息が止まる。

「すみません。つい、はしゃいでしまって……」

「いや」

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