買われた花嫁
 氷の結晶のようにきらめくグラニテの上に、ふくよかなバラの香りが詰まったゼリーの粒が散りばめられている。さながら、朝露のようだった。

「バラっておいしいんですね……」

 ひと口含んで、ほうっと息を吐く。

 私のつぶやきがおもしろかったのか、ふっと蓮司さんが笑う気配がした。

「気に入ったか?」

「はい。どうしてもバラっていうと、香水のイメージが強くて。だからこんなに食べ物と相性がいいとは思いませんでした」

 また、蓮司さんの笑みが深まる。

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