世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 私の都合で振り回していると、後悔の気持ちが強くなる。

「……すみません。迷惑をかけてしまって」

「いや」

 蓮司さんの視線が、先ほどまで私が見ていた夜景に向く。

「もし。……もし、君が望むなら」

 なにを言い出すのかと、彼らしくないためらった言葉の続きを待つ。

 蓮司さんは夜景から私に視線を戻すと、少し目を細めて言った。

「もう少しだけ、俺とこの夜を過ごしてみないか」

「え……」

「時計の針なんぞに、君の価値を決めることはできない。少なくとも俺はそう思っている」

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