世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 この人は冷酷で、他人の気持ちなど顧みない男だったんじゃないのか。

 誤解があったらしいとはいえ、私を侮辱するような言葉だって吐いたのだ。

 そんな人が私に向かって、手を差し伸べている。

「もちろん、今すぐホテルへ戻ってもいい。……ルールを破ることが怖いなら無理強いするつもりはない」

 私がなにをどう思っているかなんて、なにも考えていないのだと――。

 しかし私はそれが違うことを、フランスで過ごした日々の中で知ったはずだ。

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