世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 怯んだ私の代わりに、蓮司さんは鼻で笑って言う。

「そんな男に娘を売ったのはあなたたちだ」

 嘲笑交じりの声にぞくりとしたのは、たぶん私だけではない。

「高い金と引き換えに俺は彼女を買った。だから紗代は俺のものだ。九条家にふさわしくなかろうと関係ない」

「な、な……」

 わなわなと震える父の顔が、赤から蒼白に変わっている。

 全部事実だ。だけど、そんな言い方はない。

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