世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
『妻に最高のものを贈るのは夫として当然の義務だ』

 そう言って贈られる品々は、どれも私の好みを完璧に把握したものばかりだ。フランス旅行でひたすら観察した結果が出ている、ということなのだろう。

 けれど、それらが高価であればあるほど、私はあの日、彼が私の両親に言い放った言葉を、心臓に刺さった棘のように思い出してしまう。

『紗代を返してほしければ、それだけの金を用意しろ。……彼女に釣り合うと思う金額でいい。それだけの価値しかないと思うなら、一円でだって売ってやる』

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