世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 ――愛されているわけじゃない。ただ、高い買い物のもとを取るために、磨き上げられているだけ。

 一度芽生えた疑念は、彼に優しくされればされるほど、毒草のように私の心に根を張っていった。

 思いがけず苦しいのは、私の心が彼に惹かれているせい。

 妻の役目を果たしてもいいと――身体を許してもいいと思えるようになったからこそ、今のこの状況がつらい。

 もしも私がそんな気持ちになっていることを蓮司さんに伝えたら、彼はなんと言うのだろう。

『買われた女のくせに、ずいぶん安い言葉を吐く』

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