世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 パーティー会場に一歩足を踏み入れた瞬間、眩いばかりの光の洪水が視神経を突き刺し、胃の奥がせり上がるような不快感に襲われた。

 都心の一等地に建つ最高級ホテルの大広間には、天井から幾重にも吊り下げられた巨大なシャンデリアが、磨き抜かれた大理石の床に冷徹な光を落としている。

 その煌びやかさは、かつて私を深く傷つけた記憶を鮮明に引きずり出した。

「背筋を伸ばせ、紗代」

 一瞬、息の仕方を忘れた私に蓮司さんが言う。

「君は俺の妻だ。誰に対しても、引け目を感じる必要はない」

< 309 / 489 >

この作品をシェア

pagetop