世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「となると……奥様には退屈な思いをさせてしまいますね。旦那さんをお借りしていってもよろしいですか?」

「もちろんです。気が利かずすみません。ごゆっくりどうぞ」

 本当は蓮司さんのそばを離れたくなかったけれど、そもそも私との結婚は彼の仕事を一層発展させることが目的だ。

 だとしたら、私がそれを邪魔するのは間違っている。妻の役目を果たすのなら、きちんと身を引くべきだと不安を押し殺して彼のもとを去ろうとした。

「紗代」

 立ち去る直前、蓮司さんに手首を掴まれる。

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