世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 彼はすごい人なのに、と悔しさで目の前が真っ赤になった時、背後から声が聞こえた。

「おやおや。私の知っている霧島君の話とは、ずいぶん違うようですね」

 穏やかだけれど、鋼のような芯の強さを感じさせる声が割り込む。

 現れたのは、いかにも上流階級といった上品そうな若い男性だった。

 先ほどの男は、彼の顔を見るなり顔を引き攣らせる。

「これは……山城社長」

「どこかでお会いしたかな? 申し訳ないね、最近会う人が多かったものだからすっかり抜けてしまって」

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