世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「よっぽどうちの会社にうまみでもあるのか……と思えればよかったんですけどね。歴史ばかり長い小さな工場でしかないんですよ」

「きっと蓮司さんにとっては必要な会社だったんです。自分が悪役を担ってでも守ったほうがいいと思うような」

「いやいや、違うんですよ。一回だけ聞いてみたんです。どうしてそんなことをしてくれたのか。……なんて言ったと思います?」

「……なんでしょう。思いつきません」

「『家族の大事な思い出が詰まった会社だと聞いたので』……です」

 ぎゅ、と胸が締めつけられた。

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