世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 きっとそう言った蓮司さんは無表情で、素っ気ない口調だったに違いない。

 でもなにげない答えこそが、彼の本質を表している。

「霧島君は、これからはちゃんと守れるよう、心ない人々の攻撃が私に向かないよう背中を貸してくれました。……いつか恩返しができたらと思っているんですが、なかなかさせてもらえなくてですね」

「蓮司さんは……そういう人ですもんね」

「ええ、本当に困った人です」

 山城社長の言葉が、私の喉を熱く締め上げる。

 攻撃が自分以外に向かないよう、わざと悪人として振る舞う――。
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