世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「私でよければ喜んで。あの霧島君がわざわざ頼み込んでくるような女性には、私も興味が――」

「随分と熱心な講義だな、山城」

 不意に、氷を溶かしたような冷たくも低い声が響いた。

 その声を聞いた瞬間、鼓動が大きく音を立てる。

 振り返るまでもない。私の世界で、これほどまでに深く、重く、そして私の存在すべてを震わせるのはたったひとりしか存在しない。

「蓮司さん……!」

 はじかれたように顔を上げると、そこには蓮司さんが立っていた。

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