世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 わざわざ降りて海辺へ向かうようなことはせず、蓮司さんは運転席に乗ったまま助手席に座る私に話しかけた。

「俺はなにを不安にさせていたんだ」

 最初に聞くのがそれなのか、と胸が震える。

 淡々とした物言いなのに、まず私を気遣う言葉が出てきたのがうれしい。

 膝の上で祈るように手を組み、深呼吸をしてから口を開こうとした。

 どんな答えが返ってくるとしても、ちゃんと自分の気持ちを話さなければ。

 そう思えば思うほど喉の奥がぎゅっと締まって声が出てこない。

「……紗代」

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