世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 やや焦げ茶色の瞳は穏やかで、彼が常に浮かべている微笑をより優しい雰囲気にしていた。

 身長は高すぎず、低すぎずですらりとしている。細身なのに立ち姿には不思議とどっしりかまえた安心感があった。

「ああ、覚えてくれててよかった! って言っても、覚えるほどの知り合いでもないよね、僕たちは」

「そう……ですね。結婚の話はなくなりましたし……」

「あの時はうちの両親が申し訳ない。事業がどうのと言うなら、一緒に盛り立てていこうって手を貸すのが正しいのに」

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