世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 頭を下げているからなのか、私の記憶にあるよりもずっと小さく見えるふたりを見つめる。

 私はこれまで、ふたりの強制を嫌がるばかりで理由を考えたことがあっただろうか。

 ちょっと歴史のある店を継いでいるからといって、古臭いしきたりとプライドに捉われ続けた面倒な人たちだ……と、最初から理解を諦めてはいなかったか。

 相手を知ることを諦めてはいけないのだと私に教えてくれたのは……。

「……お母さんもお父さんも顔を上げて」

 ふたりと会話することも、もう諦めない。

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