世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 今はもう、過去として消化できる。

 複雑な思いを割り切れるほどには、もう大人だ。

「だから今度、ちゃんと結婚式をしようと思って」

「え?」

「結婚式?」

 ふたりが同時に驚いた声をあげる。

「うん、市役所に届を出して終わりだったから、改めて。ふたりを招待してもいい?」

「私からもお願いします。私の両親の代わりに、おふたりに見守っていただきたい」

 蓮司さんの言葉が静かに響いた。

「ええ、ええ。もちろん」

 母の声が涙に濡れて震える。

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