買われた花嫁
 低い声が耳朶をくすぐってどきりとする。

 反応していることを知られたら、結婚式の話をするどころではなくなるだろう。

「一般的には白いドレスと、お色直しのカラードレスじゃないんですか?」

「一般的な結婚式がどうかは関係ない。君のしたいようにしよう」

「……普通でいいですよ。というより、何回お色直しさせる気なんですか」

「君が望むなら、いくらでも」

 ちゅ、と首筋あたりでくすぐったい音がしたのと同時に、甘い痺れが身体を駆け抜けていく。

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