世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 言い方ひとつでこんなにも人を悪人に仕立て上げられるのかと、悔しくて目の前が真っ赤になった。

「ねえ、霧島さん。一旦ドレスが到着するまで先に写真撮影を済ませたほうがいいわ。あっちで撮りましょう。そうね、うちの宣伝写真に使わせてもらえない? あなたなら効果抜群だもの。奥様はドレスの件で忙しいし、代わりに私が花嫁役を――」

「紗代」

 興奮気味に話しながら腕を絡めてこようとした桂さんを払いのけ、蓮司さんはまっすぐ私の前へやってくる。

「そんな顔をしないでくれ。今日は君を喜ばせるための日だ」
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