世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 上半身のビーズも、このラインストーンも、宝石のような美しさをしたイミテーションだと思っていたのだけれど。

 ちらりと横を見ると、心なしか得意げに見える蓮司さんと目が合った。

「紛い物の宝石では、君の晴れ舞台にふさわしくない」

「……怖くて歩けなくなりそうです」

「その時は俺が抱き上げて運ぼう」

 私は今、いったいどれほどの高価なドレスを身に着けているのだろう。

 そう考えてから、彼が何度か口にした〝私にふさわしい価格〟という言葉を思い出した。

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