世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 やわらかく笑った蓮司さんが私の頬にキスを落とし、すぐに唇をついばんだ。

「あ、あ、えっと、私、お邪魔ですねっ」

 間近で新郎新婦のキスシーンを見せつけられた彩香が、顔を赤くしてぴゃっと後ろに下がる。

 まるで小動物のような動きを見て笑っていると、ふとガーデンの隅で苦々しげにこちらを睨む桂さんと目が合った。

 この場には来たくなかっただろうに、仕事人としてのプライドなのか、ちゃんと私たちの式を見届けたようだ。。

 でも今はあの写真を見ても、彼と桂さんに関係があるなんて信じないだろう。

 私の隣に立つ蓮司さんは、作り物では決して出せない本物の――幸せそうな笑みを浮かべているのだから。

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