買われた花嫁
エピローグ
 窓の外には、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。

 けれど、今の私にとって、そのきらめきは何の意味も持たない。私の世界のすべては、今、私を背後から包み込んでいる蓮司さんの腕の中に凝縮されていた。

 結婚式から、はや数週間。

 私は鏡を見るたびに、霧島紗代という名前がが自分の一部であることを実感していた。

 距離を縮めている最中の両親。

 九条という名前にまとわりついていた重苦しい義務感。

 そして私たちの仲を裂こうとした人々の執念。

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