世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 両親も私に都合のいい人形でいるようルールを強制するようなひどい人たちだったけれど、少なくとも従ってさえいれば蔑みはしなかった。

 顔を合わせてもいない相手にここまで言われるなんて、本当に衝撃だった。ショックを受けたなんてかわいらしいものではない。自分でも驚くくらい、強い不快感と怒り、そして彼に対する忌避感が沸き上がった。

 これから私はそんな男と結婚する。

 覚悟していても、いい気分にはなれない。

「待ち合わせの時間まではあと十分ある。待たされたというほど待ってもいない」

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