世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 それまではメッセージのやり取りをするだけ。しかも内容は上司と部下のやり取りのような硬いものだった。

「来たか」

 立ち上がった蓮司さんが、テーブルに置いてあった紙コップを近くのゴミ箱に捨てる。

 彼の動きに合わせてふわりとコーヒーの香りがした。

 どうやらこのエントランスは、玄関の役割だけでなくカフェの役割も果たすようだ。

 コンシェルジュのいるカウンターに小さな看板のようなものが乗っているから、そこにメニューが書いてあるのかもしれない。

「荷物はそれだけか?」

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