Re:Romance
うちの実家と実来君の一人暮らしの家は真逆の方向。深夜帰宅だし、実来君は明日も仕事ということで、私はそのまま実来君の家にお邪魔することになった。
実来君のスマホから兄貴に連絡して事情を適当に繕えば、玲さんからもちゃんと兄貴に連絡を入れてくれていた。
実来君のうちはオートロック付きのアパートで、入口が木目調の扉になっているから一見マンションにも見えてしまう。
私のアパートの方がずっと防犯性皆無だ。
香椎と分かれて、変わらず冷静な実来君が私を部屋に招き入れる。美少年宅の突撃訪問に緊張を隠せない。
中に入れば、やはり実来心晴の奥ゆかしくも卑猥な柔軟剤が香るわけで。深夜でほろ酔い気分の私は果敢に挑む。
復讐相手の元セフレが、ソワソワしながら先陣きって部屋に入っていけば、競争意識バリバリの実来君に追い抜かされた。
廊下の明かりはまだつけず。その真意はみえないまま、暗闇の中手を引かれて。一つのドアノブを回す仕草に、詰まりかけた息をそっとひそめる。
開いた部屋の中のベッドに、容赦なく腕を引かれて倒された。
五智川玲宅での出来事と微妙に重なる。言っておくけどデジャヴは危険だ。
「……先輩、」
実来君がスーツのジャケットも脱がずに、私の手首をつかんで見下ろす。暗闇の中でも惜しげもなく美しさを披露されて目が離せない。蒼碧の瞳が艶美に揺らぐ。
「なに。したいの?」
「したくないと言えば嘘になります。」
「私はいいけど、明日、実来君仕事だよ?」
「それよりも、先輩に言わなきゃいけないことがある……」
この状況で言葉責め以外に何を言うというのか。
実来君の唇から微かに漏れた息。
でもそれはすぐ彼の唇に呑み込まれた。言葉責めを含んだセックスなんかよりも、もっとずっと深い真髄を羽交い締めにされている気分だ。