Re:Romance


『――――先輩!』


 私の呑み込んだ渦が嵐になったのは、島咲さんに頭を下げられてから一週間後のことだった。


 この何日かは学校を休んで、朝から晩まで友達とケロリと遊んでいた。実来君のことをコロリと忘れろと言われても無理で、半ば開き直り気味に来た久々の学校。


 でもその日も結局自分の中で島咲さんのことが処理しきれず、持参した100グラムのふかし芋も食べずに4限で早退した。


 帰り道、門から出て42歩歩いた先の並木道で、なぜか実来君に後ろから呼び止められた。


 会いたくないのに、なんでわざわざ来るのか。


 まだまだ暑さで蒸す10月初め。


 彼の上げた息は、アスファルトに打ちつける日射により今にも陽炎を作りそうだ。夏のような秋。彼はどんな四季の狭間でも絵になるから怖い。


半袖姿に反し、アスファルトには桜の枯れ葉が落ちていた。一歩一歩枯れ葉を丁寧に踏みしめて、性的魅力を伴った美少年が私の前に立つ。


 背、高くなったね。 


  
『先輩、責任取って下さい。』

『……は?』

『僕を誘った、責任を。』

  
 肩にかけた鞄の持ち手がずり下がり、肩にかけ直す。なで肩じゃないのに、ずり落ちるのはなんでだろ。 
 
 
『……なんで?』

『なんでって』

『てか。彼女、いたんだ。』

『……まあ、はい。』


 彼女いるなら、どう考えたって最初から共犯なのに。


 彼女がいた事実にむかつくし、それを黙っていた実来心晴にも苛つくし。


 聞かなかった私も私だけど。それって誘った私よりも、彼女がいることを隠してた実来君の方が重罪なんじゃないの?


それで私に責任とれって?


はあ? 益々島咲さんが可哀想じゃん!






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