Re:Romance
明日は休みだというのに、まだ22時にもなっていないまま帰ることになった。なかなか予定が合わず、せっかく1ヶ月ぶりに実来君と二人きりになれたというのに。
で、真田さんと同じ電車の私は、真田さんと一緒に帰る羽目に。
はは、なんて日だ。
「真田さん、日比野さんと仲良かったんですね。」
気まずくても大丈夫。もうメンタルやられた後だから。
真田さんと二人きりで話すのはいつぶりだろう?
帰り道、居酒屋が軒を連ねる暗い道を歩いていく。日曜の夜とあってか人通りもなく、閑散としている。
実来君がうちの部署に異動してくる前は、飲み会で何度か話す機会はあったのだ。
「食堂で話しかけてもらったのがきかっけで。日比野さん、仕事のことで相談できる人がいなかったみたいなんです。」
「そ、そうですか。日比野さんのこと、真田さんにフォローしてもらえて、私も助かります。」
日比野さんは前職も機械関係の会社で事務をしていたと聞いている。だからもう少しできるのを期待してたんだけど、そもそもそういう思考自体がダメなのかな。
「私もぼっちのことが多いし、日比野さんと友達になれたのは嬉しいです。」
「真田さんが? ぼっち?」
「はい。新車部の女性陣からは、なぜか嫌われていて。」
「そ、そうかなあ。むしろ憧れの存在というか。そんなことはないと思いますけど。」
真田さんが男性陣に囲まれているのは知っているけれど、女性陣から嫌われてる?高市さんとはそんな話、したこともないけれど。
でも考えてみれば、新車部の女性陣と一緒にいるのを見たことがないかもしれない。
「元モデルの叶恵先輩には、きっと分かんないですよ。」
「……はい?」
「私、専門学校の卒業で。でも周りの女性陣は皆高学歴だし。しかも私が男に色目を使ってるとか噂されてるし。」
「……」
「昔から女性には避けられてて。だからこっちも遠ざけちゃうし。」
うん。否定はしないけど。
つまり、無意識あざと系女子か。
「ああ、色目を使っているってのは、確かにそう見えるかも。」
「え、」
私の突然のタメ語に驚いた様子の真田さん。
せっかく彼女と話せる機会なのだ。少しは距離を縮めてみようと思う。