絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第五話】: 菩薩の刺青(しせい)と淫らな供物 8

天狗が激しく腰を叩きつけるたび、女の背中に彫られた菩薩が、まるで狂い咲く花のように激しくのたうち、悶える。

真っ白な肌に散った赤い鞭の跡と、白濁した蝋の結晶が、残酷なまでのエロティシズムを強調していた。

(……信じられない。あんなに乱暴に、まるで壊すみたいに貫かれているのに。あの女(ひと)の喉、震えてる。悲鳴じゃない……あれは、悦びを噛み殺せない、雌の鳴き声だわ……)

ひとみは自身の腿を強く閉じ合わせる。

しかし、老人の指はそれを許さず、クリトリスの突起を執拗に、じわじわと、慈しむように、そして残酷に潰しにかかる。

「ひぅっ……! あ、あぁ……っ」

ひとみの口から、耐えきれない吐息が漏れた。

突き上げられる衝撃に合わせて「あ、あ、あ、あ……っ!」と断続的な嬌声を上げ、自ら天狗の腰を迎えにいくように、背中の菩薩を激しく震わせる。

(もう、戻れないんだ……。一度壊されて、その破片の中に快楽を見つけてしまったら、もう普通の女には戻れない。……私も、……)

「ほれ、仕上げだ」

老人が低く命じると、天狗は女の腰を掴み、限界まで引き寄せた。

「あ、ぁ、ぁあぁあーーーっ!!」

女が仰け反り、夫の目の前で、その胎内を白濁の奔流で満たされていく。

女の指先が、救いを求めるように床のタイルを掻きむしり、キィィィという不快な音が、ひとみの背筋をゾクゾクと駆け上がった。

女はガクガクと痙攣し、失神したように夫の足元へ崩れ落ちる。

老人の指が、ひとみの最も敏感な場所をぐっと押し上げた。

「次は、お前の番だ。……たっぷりとな、わしの種を注ぎ込んでやる」

(……怖い。死ぬほど怖い。なのに……私、もっと激しくしてほしいって、心のどこかで願ってる……。理央……ごめんなさい、ママ、もう……人間じゃなくなっちゃうかも……っ)

ひとみの目から、一筋の涙がこぼれ落ち、老人の冷たい指先を濡らした。

それは、彼女が「女」という名の深い沼へ、自ら沈んでいく合図でもあった。
< 108 / 136 >

この作品をシェア

pagetop