絡まる残り香―滴る甘い蜜―
【第一話】: 快速電車の鉄鎖 5
電車が大きく揺れ、加速のG(重力)が身体を圧迫する。
それを合図にするかのように、背後の男が動いた。
ひとみの細い手首が、背後から無造作に、だが逃げられない強さで掴まれる。
「っ……!」
声にならない悲鳴が漏れる。男はひとみの腕を背後に回させると、そのまま自分の股間へと力ずくで引き寄せた。
混み合う車内、吊り革を掴んでいない方の手は、今や男の欲望を直に触らされている。
「ほら、昨日の続きだ……。自分からやりたがってたろ?」
男の低い声が、ひとみの耳朶を直接震わせる。
ごつごつとした指が、ひとみの指を一本ずつ、自身の膨らみの形に沿わせていく。
ひとみは屈辱に顔を伏せた。
けれど、掌から伝わる野蛮な熱量と、ズボンの生地越しに伝わる荒々しい鼓動に、彼女の心臓は狂ったように跳ねた。
周囲の乗客は、至近距離でこの女性の腕がどこに消えているかなど、微塵も気づいていない。
清潔な白衣の世界では決して味わえない、泥濘のような背徳。
男はひとみの手を無理やり動かさせながら、さらに顔を寄せ、湿った吐息とともに囁いた。
「今夜、仕事が終わったら錦糸町の北口に来い。……来なかったら、毎朝ここで、お前がどんな顔でイッてるか、周りにバラしてやるからな」
その言葉は、脅迫という名の「招待状」だった。
ひとみは拒絶する代わりに、男に握られた手首に、自分から力を込めて応えてしまった。
それを合図にするかのように、背後の男が動いた。
ひとみの細い手首が、背後から無造作に、だが逃げられない強さで掴まれる。
「っ……!」
声にならない悲鳴が漏れる。男はひとみの腕を背後に回させると、そのまま自分の股間へと力ずくで引き寄せた。
混み合う車内、吊り革を掴んでいない方の手は、今や男の欲望を直に触らされている。
「ほら、昨日の続きだ……。自分からやりたがってたろ?」
男の低い声が、ひとみの耳朶を直接震わせる。
ごつごつとした指が、ひとみの指を一本ずつ、自身の膨らみの形に沿わせていく。
ひとみは屈辱に顔を伏せた。
けれど、掌から伝わる野蛮な熱量と、ズボンの生地越しに伝わる荒々しい鼓動に、彼女の心臓は狂ったように跳ねた。
周囲の乗客は、至近距離でこの女性の腕がどこに消えているかなど、微塵も気づいていない。
清潔な白衣の世界では決して味わえない、泥濘のような背徳。
男はひとみの手を無理やり動かさせながら、さらに顔を寄せ、湿った吐息とともに囁いた。
「今夜、仕事が終わったら錦糸町の北口に来い。……来なかったら、毎朝ここで、お前がどんな顔でイッてるか、周りにバラしてやるからな」
その言葉は、脅迫という名の「招待状」だった。
ひとみは拒絶する代わりに、男に握られた手首に、自分から力を込めて応えてしまった。