絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第四話】:雌の奉仕、堕落の快楽 8

大男がひとみの髪を手櫛にすき、雄が雌を労っている光景が、清々しく思えた。

大男が「雄」を抜き、ひとみから離れる。

「奥さん、ありがとな。あんたの「モノ」、他の女(ひと)のとは、違うな。こんなに気持ちいいの、初めてだったよ。ありがとう」

だがひとみは、この巨大な塊に貫かれ、満たされたいという本能だけが彼女を支配していて、朦朧と魂がもぬけの殻だった。

大男はシャワーを浴びに部屋を出て行った。

直ぐに、ひとみは仰向けにされ、別の男が覆いかぶさり、乳房に喰い付いている。

その夜、ひとみは壊れた人形のように、次々と入れ替わる男たちに弄ばれた。

それからは、幾人の相手をしたのか、ひとみ自身も覚えてない。

けど、大男ほどの快感は得られなかった。

美奈代の方は、もはや自暴自棄に近い快楽に身を任せ、男たちの精液で股間をドロドロに汚して、ひとみの傍へ来た。

「あんた大丈夫?……部屋中に聴こえる声出して……よっぽど、良かったんだね。ふふふ……」

美奈代に言われ、ひとみは初めて自身の醜態を知るが、別に恥るつもりはない。

多かれ少なかれ、みな、同じ穴のムジナで有ると
思っている。

「……美奈代も、随分とご活躍だった事。うふふ……」

「ほら、ひとみ。……シャワー浴びに行こ」

美奈代は手を差し伸べ、起こすと、ひとみの髪を手櫛で整え、部屋を後にする。

シャワーを浴び、店を出たふたり。

ようやく解放され、身体は芯まで毒に侵されたように重く、汚れていた。

けれど、駅へ向かう夜道で、ひとみは確かに感じていた。

日常の仮面を剥ぎ取られ、ただの「欲望の捌け口」として身体を汚されることが、これほどまでに甘美で、恐ろしい堕落の快楽であることを。
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