絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第六話】:背徳の褥(しとね)7

(決して大きくないのに、なぜか……物凄く気持ちいい。……この擦られる感じが、いいのよね)

ニ回、三回と繰り返す内に、ひとみの心(うち)なる享楽が、徐々に湧き上がる。

内側から込み上げる熱い波が、彼女の理性を、一滴残らず「シュワッ」と蒸発させていった。

膣内を確かめるように、老人は腰を動かし、『壁』の凹凸を一つづつ、味わっていた。

老人の腰使いは、粘り気を帯びた「泥」を掻き回すように、重く、深く、ひとみの内壁を「ズリッ」と削り取る。

回数を重ねるごとに、ひとみの蜜が溢れ、『ぐちゃり、くちゅくちゅ』と、ドロドロな粘っこい音を立てた。

老人はひとみの艶かしい表情を、満足気に眺め、両手首を頭の上で押さえつけ、捉えた獲物を堪能している。

ひとみは段々と瞳が蕩け、半開きの唇を舌先で舐めずり廻す。

内側から押し広げられる鈍い痛みと、火を噴くような摩擦熱が、彼女の脳幹を「ジン」としびれさせた。

「ハァ、ハァ……」という、古い鞴(ふいご)のような呼吸音が、ひとみの耳腔に、湿った砂のように入り込む。

乳房を掴まれ、揉まれ、乳首を舌先で弄ばれ、ひとみは全身に鳥肌がたつほど、敏感に愛撫を感受して、濃霧に浮かんでいる気分でいた。

「……ひとみ。お前の身体は最高じゃよ。極楽の天女を抱いている気分だ」

覆いかぶさる枯れた体躯で、ひとみの耳もとで熱く湿った息づかいに囁き、老人は耳の穴へ舌先を忍ばす。

「あ、な、た、の……『モノ』は、相性が合うのか、私も……私もとっても……いいの。さ…さ…最高です」

喘ぎの合間に、絞り出すようにひとみは答える。

老人は一定のリズムで腰動かし、決して速くはならない。

腰が突き上げられるたび、隣で眠る理央の布団が、微かに「カサッ」と揺れる。

その「カサッ」という僅かな乾いた音に、ひとみの全身は、氷水を浴びせられたように「ゾクッ」と凍りついた。
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