絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第三話】: 弄ばれて、目覚める 2

大通りの大きな交差点。

信号を待つ群衆に紛れた瞬間、男の大きな手が、ひとみのタイトスカートの輪郭をなぞるようにして、その「尻」を露骨に撫で回した。

​「ひっ……」

​白昼夢のような光景。

すぐ隣には仕事帰りらしきサラリーマンや、買い物袋を提げた主婦がいる。

それなのに男は隠そうともせず、肉の柔らかさを確かめるように執拗に揉みしだいた。

​「いいケツしてるな……病院じゃ、こんな顔して歩いてんのか?」

​耳元に吹きかけられる熱い吐息と、卑猥な言葉。

ひとみは恥辱で顔を真っ赤に染め、俯くことしかできない。

否定したいのに、男の指が食い込むたびに、自分の身体が蜜で潤っていくのが分かってしまう。

​「あ、の……人が……」

​「見てるかもな。……お前が、俺の奴隷だってことを」

​信号が青に変わる。

逃げ出すチャンスはいくらでもあった。

だが、ひとみの足は男の歩幅に合わせて、吸い寄せられるように路地裏のラブホテルへと向かってしまう。

​二度目の、あの部屋。

ドアが閉まった瞬間、男はひとみを壁に押し付けた。

​「火曜日まで、ちゃんと待てたご褒美だ……」

​男の指が、ひとみのシャツのボタンを乱暴に弾き飛ばした。
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