絡まる残り香―滴る甘い蜜―
【第三話】: 弄ばれて、目覚める 3
部屋に入った男は、ベッドに腰を下ろすと一枚の紙を放り出した。
「奴隷契約書」
あまりにも前時代的で、馬鹿げたタイトル。
だが、添えられた一言がひとみの逃げ道を完全に塞いだ。
「これにサインしろ。そうすれば……あの日撮った動画は、今ここで消してやる」
男がスマホの画面をひとみに向ける。
そこには、あの日、醜くも悦びに歪んだ自分の姿が映し出されていた。
ひとみは震える手でペンを取り、自分の名前を書き入れる。
法的な効力などないはずのその紙が、今のひとみには重い鎖のように感じられた。
「……よし。約束だ」
男が画面を数回タップし、削除完了の通知をひとみに見せる。
胸を撫で下ろしたのも束の間、ひとみは気づいてしまう。
動画が消えても、自分は今、この男と「契約」を交わしてしまったのだという事実に。
「さて……まずは汚れを落としてこい。その『病院の女』の匂いはいらねえんだ」
男の冷たい命令に、ひとみは力なく頷き、バスルームへと向かった。
「奴隷契約書」
あまりにも前時代的で、馬鹿げたタイトル。
だが、添えられた一言がひとみの逃げ道を完全に塞いだ。
「これにサインしろ。そうすれば……あの日撮った動画は、今ここで消してやる」
男がスマホの画面をひとみに向ける。
そこには、あの日、醜くも悦びに歪んだ自分の姿が映し出されていた。
ひとみは震える手でペンを取り、自分の名前を書き入れる。
法的な効力などないはずのその紙が、今のひとみには重い鎖のように感じられた。
「……よし。約束だ」
男が画面を数回タップし、削除完了の通知をひとみに見せる。
胸を撫で下ろしたのも束の間、ひとみは気づいてしまう。
動画が消えても、自分は今、この男と「契約」を交わしてしまったのだという事実に。
「さて……まずは汚れを落としてこい。その『病院の女』の匂いはいらねえんだ」
男の冷たい命令に、ひとみは力なく頷き、バスルームへと向かった。