絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第三話】: 弄ばれて、目覚める 4

シャワーの熱い飛沫が、ひとみのこわばった身体を解きほぐしていく。

動画は消された。

最悪の事態は免れたのだ。

ひとみは壁に手をつき、安堵の溜息とともに目を閉じた。

​(……これで、終わりよね?)

​そんな淡い期待は、湿った音を立てて開いたドアの音にかき消された。

​「……っ!」

​振り返る暇もなかった。

無造作に踏み込んできた男が、濡れたひとみの肩を掴み、そのまま荒々しく壁へと押し付けた。

タイルの冷たさと、背中に押し当てられる男の熱い肌。

​「あ、の……まだ、洗って……っ!」

​「黙ってろ。契約は済んだだろ。ここからは俺の時間だ」

​拒絶を許さない強引な力で、ひとみの身体が折れ曲がるように固定される。

逃げ場のないシャワーブース。

逃げようとするひとみの太ももを、男の無骨な手が力任せに割った。

​「嫌……っ、あ……!」

​言葉にならない悲鳴を上げるひとみの背後から、男は獣のような荒々しさで、準備も整わない彼女を貫いた。

潤滑を助けるのは、降り注ぐシャワーの飛沫と、ひとみが自ら流したわずかな蜜。

​「あ、が……っ、ひ、ど……っ」

​「これが奴隷の勤めだ。お前は、俺に飼われる道を選んだんだよ」

​男の低い声が、水の音に混じって耳元を汚していく。

ひとみの自慢の脚は、震えながらも男の激しいピストンを支えることしかできない。

やがて、ひとみの脳裏を白い火花がかすめた瞬間。

​男はひとみの腰を強く掴み、あえて奥深くへと突き立てたまま――。

​「……あ、ああっ!」

​内側に広がる、耐え難いほどの熱量。

ひとみは白目を剥き、声にならない絶叫を上げた。

望んでいなかったはずの「種」を、子宮の奥深くに刻み込まれる屈辱。

だが、その屈辱に反比例するように、ひとみの身体は狂おしいほどの悦びに支配されていた。
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