絡まる残り香―滴る甘い蜜―
【第二話】: 悪魔の誘惑、天使の囁き 1
御茶ノ水、大学病院の窓口。
ひとみは、糊の効いた清潔な事務服に身を包み、いつものように淡々と診察券を受け取っていた。
「次の方、どうぞ」
鈴の鳴るような、穏やかで理知的な声。
だが、その唇の内側には、昨夜、男の粗い肌に擦られ、異物をねじ込まれた際の痺れるような痛痒さが、火傷の痕のように生々しく残っている。
カウンターの下、タイトスカートに隠された太腿の内側には、男たちの無造作な指が食い込んだ「所有印」が、どす黒い痣となって点在していた。
キーボードを叩くたび、事務服のブラウスが擦れ、胸元に刻まれた「男の証」が微かな痛みを訴える。
その一つ一つの刺激が、昨夜の地下大部屋での――鼻を摘まれ、酸素を奪われながら、ただ種を注ぎ込まれるだけの「雌」に成り下がった自分を、鮮明に脳裏へと呼び戻した。
「若林さん、このカルテの整理、お願いできる?」
同僚の呼びかけに、ひとみは弾かれたように顔を上げた。
「……はい、承知いたしました」
返した声は、自分でも驚くほど湿り気を帯びていた。
カルテを受け取る際、指先が微かに触れ合う。
ひとみは、糊の効いた清潔な事務服に身を包み、いつものように淡々と診察券を受け取っていた。
「次の方、どうぞ」
鈴の鳴るような、穏やかで理知的な声。
だが、その唇の内側には、昨夜、男の粗い肌に擦られ、異物をねじ込まれた際の痺れるような痛痒さが、火傷の痕のように生々しく残っている。
カウンターの下、タイトスカートに隠された太腿の内側には、男たちの無造作な指が食い込んだ「所有印」が、どす黒い痣となって点在していた。
キーボードを叩くたび、事務服のブラウスが擦れ、胸元に刻まれた「男の証」が微かな痛みを訴える。
その一つ一つの刺激が、昨夜の地下大部屋での――鼻を摘まれ、酸素を奪われながら、ただ種を注ぎ込まれるだけの「雌」に成り下がった自分を、鮮明に脳裏へと呼び戻した。
「若林さん、このカルテの整理、お願いできる?」
同僚の呼びかけに、ひとみは弾かれたように顔を上げた。
「……はい、承知いたしました」
返した声は、自分でも驚くほど湿り気を帯びていた。
カルテを受け取る際、指先が微かに触れ合う。