絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第一話】: 奈落へ誘う、特急「踊り子号」 3

そのあまりの禍々しさに、ひとみは弾かれたように手を離そうとするが、岩のような腕に固定され、逃れることは叶わない。

ひとみは震える手でベルトを解く。

執拗な愛撫と、掌に伝わる脈打つ熱量。

ひとみは黒光りする、「化身」を握り上下にシゴキ
始める。

喉の奥からせり上がる声を押し殺すように、片手で必死に口を覆い、身体を折り曲げて耐えた。

その間も、たけさんの愛撫は止まらない。

(あぁぁ……気が飛び散りそう。もうどうにでもして、自分で望んで来たん、だもの……)

ひとみの行為が進むに連れて、黒光りの「化身」は糧を得たように、グンッグンッと力強く硬直する。

満を持してたけさんの太い指が、拒絶の隙も与えずひとみの後頭部を強引に引き寄せた。

「んっ……!」

悲鳴を上げる間もなく、ひとみの顔は彼の股間へと押し付けられた。

「ひとみさん、お願いします……」

スラックス越しに伝わる、野卑で凶暴な男の熱量。

ひとみは震える手でベルトを解き、一児の母としての理性をかなぐり捨てて、彼の剥き出しになった剛直を口に含んだ。

「ふぐっ……ん、んんっ……!」

(いやっ…、押さないで。顎が外れそう……痛っ)

喉の奥を容赦なく突く、暴力的なまでの質量。

黒のタイトスカートが、不自然に曲げられた膝の上で無様にずり上がる。

グリーン車の最背後列は、濃厚な獣の匂いと、抗えない暴力的な支配に塗り潰されている。

「……逃げるな。これが君のこれからの、新しい『扱い方』だ」

窓の外を流れる美しい海岸線とは裏腹に、ひとみの口内は男の脂の匂いと、支配の味、そして粘膜が擦れる痛熱い感覚で満たされていく。

「うぐっ、うぐっ、うぐっ……」
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