絡まる残り香―滴る甘い蜜―

【第三話】:値踏みの熱狂、欲望の検品 2

元アイドルは、今や男たちの卑猥な指を受け入れ、唾液を垂らすだけの「機能」へと成り下がっていた。

彼女が積み上げてきた「アイドル」という虚飾は、乱暴に脱がされた純白のべビ一ド一ルとともに、無残にシュレッダーにかけられていく。

だが、会場の視線を最も激しく吸い寄せていたのは、40代半ばの、凛とした美貌を持つ女性社長・佐伯雅代だった。

都内で複数のIT企業を率い、経済界の寵児として畏怖される彼女。

経済誌の表紙を飾るほどの成功者である。

だが、その完璧なキャリアと立場ゆえに、彼女は日常では決して「支配」される快楽を口にすることはできない。

彼女にとって、このパーティーは、自らの意思を放棄し、ただの肉として扱われるための唯一の、そして最も贅沢な秘匿された「趣味」だった。

その完璧に仕立てられた「鉄の女」としての仮面が、男たちの脂ぎった手によって、一枚ずつ、剥皮するように剥ぎ取られていく。

「おや、これは驚いた。あの佐伯社長じゃないか」

「今日は社長の椅子から降りて、ただの『雌』になりに来たというわけか」

五、六人の男たちが、嘲笑とともに雅代を蹂躙した。

一人は彼女の知的な眼鏡を奪って床に叩きつけ、一人は彼女の鍛えられたしなやかな肢体を、薄いベビードール越しに、文字通り「肉の塊」として捏ねくり回す。

雅代の首筋には、容赦のない歯形が刻まれ、熟れた果実のような乳房は、左右から無機質な手掌によって乱暴に揉みしだかれた。

「っ……、ああ……んっ!」

雅代は、普段の冷静な仮面をかなぐり捨て、虚空を見つめた。

彼女がビジネスで築き上げた数億の資産も、社員たちへの支配権も、ここでは一文の価値も持たない。

むしろ、その「社会的地位」が高ければ高いほど、泥にまみれる際の落差が、彼女の脳髄を灼く極上の報酬となる。
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