元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした
少し口をつけると、優しい味が口の中に広がった。

「……美味しい」

そう言うと、遼がふっと笑う。

そのままお椀を置いて、私を抱き寄せた。

突然の抱擁に、少し息が詰まる。

「遼?」

ぎゅっと強く抱きしめられる。

遼の声が、耳元で低く響いた。

「昨日の夜が、夢みたいだった」

腕の力が少し強くなる。

「また美月を抱けるなんて、思いもしなかった」

その言葉に、胸がじんわり熱くなる。

私は遼の肩に顔を寄せて、小さく囁いた。

「私もよ」

遼の腕の中は、やっぱりあの頃と同じだった。

温かくて、安心できて。

私は静かに目を閉じた。

この時間が、ずっと続けばいいと思った。
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