元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした

第3章 社長令嬢の婚約者

遼との生活は、思っていたよりずっと穏やかだった。

契約結婚のはずなのに、私たちは本当の夫婦のように過ごしていた。

朝は一緒に朝食を食べる。

遼はコーヒーを淹れて、私はトーストを焼く。

「編集部って朝早いんだな」

「締め切り前は特にね」

「無理するなよ」

そんな会話をしながら、遼は私の髪を軽く撫でる。

それだけで胸が温かくなる。

六年前、失ったと思っていた時間が、また戻ってきたようだった。

夜になると、遼は必ず私を迎えに来る。

「遼、仕事忙しいんでしょ?」

「忙しいよ」

そう言いながらも、遼は当然のように車を停めている。

「でも美月を迎えに行く時間くらい作れる」

そんな言葉をさらっと言う。
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