元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした
「……遼」

思わず彼の名前を呟いていた。

HPの社長紹介のページを開く。

そこにはこう書かれていた。

神崎グループの若き社長。

三年前に父親の後を継ぎ、社長に就任。

現在は業績を大きく伸ばしている。

「社長になったんだ……」

そういえば、付き合っていた昔、彼は言っていた。

「うちは会社やってる」

会社の御曹司だって。

でも、こんな大企業だとは思っていなかった。

胸の奥が少し痛む。

もう遼とは、住む世界が違う。

そう思って資料を閉じようとしたとき、先輩が言った。

「この人、インタビュー決まったよ」

「え?」

「美月が担当ね」

「私ですか?」

「若い女性読者向けの記事だから」

先輩は笑った。

「イケメン社長、頑張って」

軽い冗談のはずなのに、私の心臓は激しく鳴っていた。

六年ぶりに、会うなんて。
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