元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした
インタビュー当日。

神崎グループの本社ビルは、都心の一等地に建っていた。

高いビルを見上げながら、私は深呼吸をする。

「はあ、これは仕事」

そう自分に言い聞かせて受付に挨拶をした。

「一通社の高瀬です。本日は社長の神崎遼さんのインタビューで参りました」

「お話は伺っています。社長室へ向かって下さい」

恐らく秘書であろう女性に、社長室に案内された。

ドアをノックする。

「失礼します」

扉を開けた瞬間、部屋の奥に立っていた人と目が合った。

その瞬間、時間が止まった。

「もしかして……美月?」

低くて落ち着いた声。

やっぱり、神崎遼だった。

六年前よりずっと大人になっている。

スーツ姿も、社長室の空気も、すべてが似合っていた。

「久しぶりだな」

遼がゆっくり歩いてくる。

胸が苦しい。
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