元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした
私は遼の何なんだろう。

契約の妻。それだけの関係。

ふと、時計を見る。

夜の九時。

遼はまだ帰ってこない。

慌ててスマホを見る。

メッセージはない。

聞くべきなのか。聞かない方がいいのか。

胸が苦しい。

もし本当に婚約者がいるなら。

私はただの都合のいい妻だったのかもしれない。

その時、玄関のドアが開いた。

「ただいま」

遼の声だった。

私は立ち上がる。

「おかえり」

遼はネクタイを緩めながら言った。

「今日は早く帰れた」

「そうだね。」
 
私は迷った。でも言うしかなかった。

「今日、羽奈さんって人が来た」

遼の動きが止まった。

「そうか」

遼は静かに言った。
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