元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした
「婚約者だって、言ってた。」

「うん……」

遼は否定しない。

やっぱり本当の結婚相手は、私じゃなくて羽奈さんだったんだ。

「どうして、婚約者がいるのに……私と結婚したの?」

「それは……」

「私はただのお飾りなの?」

遼は、私の肩を掴んだ。

「親が決めた人だった。でも俺は結婚する気はなかった」

そう言って遼は私に近づいて、キスをしようとした。

私は思わず顔をそむけた。

「美月?」

胸が痛い。

「もしかして……」

 声が震える。

「契約結婚を言ったのは、羽奈さんとの結婚を断るため?」

沈黙が落ちた。

その時間が怖かった。

私は目を伏せる。

私は、愛されていると思っていた。

でも、ただの都合のいい妻だったのかもしれない。
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