元恋人と契約結婚したら溺愛が止まりませんでした
でも今は正直、仕事が楽しい。

契約結婚なら、親にも説明できる。

それに――相手は。

三年間忘れられなかった人。

ちょうどいい話じゃん。私は笑った。

「いいよ」

遼が驚いた顔をする。

「その話、のった」

遼の車が静かに止まる。

私たちは顔を見合わせた。

そして、私は遼と、がっちり握手をした。

「そうだとしたら、話は早い方がいい。今週末、美月の両親に会いに行くよ」

「これで私も、肩の荷が下りた」

正直、もう結婚の話を親にされたくない。

「ありがとうな、美月」

遼の笑顔を見ると、こっちまで微笑んでしまった。

「お礼を言うのは、私の方」

「なんだ。美月も、結婚したかったのか」

「親がうるさくてね」

それが――私たちの契約結婚の始まりだった。

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