舞台の中心で花咲く蕾
「すまない。親父からの電話が長くて。んで? こちらさんは?」

 申し訳なさそうにスマホを仕舞いながら近くまで来ると、目の前の記者に眉間を寄せた。

「週刊誌の人。ほら前に私の車をかっこよく撮ってくれた」

「ああ。何か聞かれたのか?」

 アクアマリンのパパ活の件を伝えると眉間にできていた皺が更に深くなり、大げさなため息を吐かれた。
 この感じは初めての質問じゃなさそう。

「またか。俺はアクアマリンをどうこうできる立場じゃないんだ。詳しくはあの子たちのマネージャーに聞いてくれ。あと休暇中のこの子のことが知りたかったらSNSでもフォローして」

 テーブルにお札を叩きつけるように置き、私が注文していたメロンクリームソーダを殆ど一気飲みしたお父さんは、コーヒーとお釣りをあげると言って共に店を出た。

 カフェで待ち合わせし、その後にドライブしていい感じのお店でご飯を食べる約束をしていたけど、道中はずっとお説教。
 週刊誌の人に質問されても笑顔で誤魔化せとかすぐに人を呼べとか、アクアマリンの話については全て無視しろと言われてしまったのだ。

「来週のニュースで知るとは思うが、アクアマリンのマネージャーが会社を設立してアクアマリンはもちろんその他にも数名引き抜かれた。こちらとしては痛手ではないが少し訳アリでな」

「訳アリ?」

 お父さんは困ったようにため息を吐き、詳細を話してくれた。
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