最低で大嫌いなあなた、結婚してください
年内に鞠花は仙台の病院を辞め、東京にある祥吾のマンションに引っ越した。
彼のマンションは鞠花の元の住まいと近かったので、不便を感じる事はなかった。
一月下旬、祥吾は鞠花を両親に紹介した。
「初めまして。西城鞠花と申します」
髪をハーフアップにし、ピンクベージュのニットアンサンブルを着て、花柄のスカートを穿いた鞠花は、祥吾の両親に丁寧に頭を下げた。
彼女を見て、祥吾の母はいたく感動したように声を上げた。
「まぁ……! 祥吾が選んだにしては、きちんとしたお嬢さんじゃない」
「どこでこんないい人を見つけたんだ」
厳格そうな父も、鞠花を見て微笑み好感触だ。
二人とも祥吾が問題行動を起こしていた事で、息子の結婚にある種の諦めを抱いていたようで、それが掌を返したように〝きちんとした〟女性を連れて来たので、とても喜んでいた。
父親は先代から事業を継ぎ、母親も良家のお嬢様らしく、鞠花は受け入れられるか心配していたが、まず第一関門は突破したと思っていいのだろう。
「こちら、良かったらお召し上がりください」
事前に祥吾から母親の好物を聞いており、風呂敷に包んでいたそれを手渡すと、「ありがとう」と微笑まれた。
以前に高齢女性の入院患者から、風呂敷には色んな結び方があると教えてもらってから、自分で安い物を買って結び方を練習してみた事があり、それが今になって役だった。
お茶とお茶菓子が出されたあと、祥吾はまじめな表情で鞠花の〝事情〟を打ち明けた。
彼のマンションは鞠花の元の住まいと近かったので、不便を感じる事はなかった。
一月下旬、祥吾は鞠花を両親に紹介した。
「初めまして。西城鞠花と申します」
髪をハーフアップにし、ピンクベージュのニットアンサンブルを着て、花柄のスカートを穿いた鞠花は、祥吾の両親に丁寧に頭を下げた。
彼女を見て、祥吾の母はいたく感動したように声を上げた。
「まぁ……! 祥吾が選んだにしては、きちんとしたお嬢さんじゃない」
「どこでこんないい人を見つけたんだ」
厳格そうな父も、鞠花を見て微笑み好感触だ。
二人とも祥吾が問題行動を起こしていた事で、息子の結婚にある種の諦めを抱いていたようで、それが掌を返したように〝きちんとした〟女性を連れて来たので、とても喜んでいた。
父親は先代から事業を継ぎ、母親も良家のお嬢様らしく、鞠花は受け入れられるか心配していたが、まず第一関門は突破したと思っていいのだろう。
「こちら、良かったらお召し上がりください」
事前に祥吾から母親の好物を聞いており、風呂敷に包んでいたそれを手渡すと、「ありがとう」と微笑まれた。
以前に高齢女性の入院患者から、風呂敷には色んな結び方があると教えてもらってから、自分で安い物を買って結び方を練習してみた事があり、それが今になって役だった。
お茶とお茶菓子が出されたあと、祥吾はまじめな表情で鞠花の〝事情〟を打ち明けた。