最低で大嫌いなあなた、結婚してください
 六月、鞠花は都内にある五つ星ホテルのチャペルで式を挙げた。

 トレーンを引きずる白いウエディングドレスは、子供時代から密かに憧れていた物だ。

 見せたいと思った両親はもういないけれど、式には祖父母が来てくれている。

 勿論、祥吾はいの一番に祖父母に謝罪しにいってくれ、両家顔合わせの時には祥吾の両親からも謝罪を受け、今はしっかりと和解している。

 だから今、鞠花をエスコートしてくれているのは祖父だ。

 祥吾は白いモーニングコートを着て、ヴァージンロードの途中で鞠花を待っている。

 オフショルダーのAラインドレスは光沢のある生地でできていて、胸元から腰、スカートの中央まで、金糸で刺繍がびっしりと施されている。

 式は順調に進み、指輪の交換をした二人は誓いのキスをする。

 鞠花が少し屈んで頭を下げると、祥吾がヴェールを上げる。

 そのあと、二人は見つめ合って微笑んだ。

 鞠花は心の中で両親に話しかける。

(お父さん、お母さん。私は祥吾さんと共に歩んでいきます。あの日彼と出会ったのは、『憎しみを捨てなさい』という二人からのメッセージだと思っているから)

 鞠花が目を閉じると、祥吾は彼女の頬を両手で包み、優しく唇を重ねた。

 チャペルに響くパイプオルガンの音を聞いた鞠花は、「天国にいる両親のもとまで届いてくれますように」と願う。

(二人とも見守っていてね。私、幸せになるから)

 誓いのキスを終えたあと、鞠花は晴れやかな笑みを浮かべた。




 完
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